※本記事は筆者(だにえる)の休職体験をもとに書いています。制度情報は2026年4月時点の公的機関資料に基づきます。一部にアフィリエイトリンクを含みます。詳細はこちら
朝、布団から起き上がるのに1時間かかる。スマホの通知音がいちいち怖い。「このまま人生が終わるのかも」と本気で思った。でも、それでも大丈夫です。
こんにちは、だにえるです。公立小学校で7年間教員として働いたあと、うつ病で休職し、最終的に「復職せず、非常勤講師として戻る」という選択をしました。
休職して1か月を過ぎた頃、私の中で少しずつ空気が変わり始めました。最初の1か月は眠れない・自分を責める・人が怖いの連続でしたが、薬と休養を重ねるうちに、ほんの少しずつ心に余裕が戻ってきたのです。
この記事では、休職1か月を過ぎた頃の心の変化・1日のリアル・復職プログラムや非常勤への切り替えなど「復帰の選択肢」までをまとめました。今つらいあなたが「戻り方にも種類がある」と知って、少しだけ肩の力を抜けるように書いています。
この記事でわかること
- 休職1か月を過ぎた頃に起こる心と体の変化(だにえる体験)
- 休職中の1日スケジュール・体重変化などリアルな日常
- 公立学校の復職プログラム・試し出勤制度(2026年4月時点)
- 「復職・退職・非常勤復帰」3つの道の比較
- だにえるが「非常勤講師」を選んだ理由
休職1か月を過ぎた頃に起こった3つの変化
1か月を過ぎたら、何か変わるのかな?
休職に入った直後の様子は【教員休職中の過ごし方②】最初の1か月の話で書きました。眠れない・自責感・対人恐怖のなかで、ただ生きているだけで精一杯だった時期です。
そこから1か月が過ぎた頃、私には次のような変化が現れました。
- 外出する元気が少しずつ出てきた
- ドライブに出かけられるようになった
- スマホの通知に怯えなくなった
劇的な変化ではありません。けれど、自分のなかでは大きな前進でした。ひとつずつ振り返ります。
変化1:外出する元気が出てきた
休職して最初の1か月は、ひたすら寝て、ゆっくり休みました。薬の助けも借りて夜眠れるようになり、日中も落ち着いて過ごせるようになっていきました。
最初は「何かしないといけない」と不思議と焦る気持ちがありましたが、それも少しずつ和らぎ、のんびり過ごせるようになりました。
とはいえ、外出するにはまだ勇気が必要でした。外に出るということは、知り合いに会う可能性があるということです。「会ったら何て説明したらいいんだろう」という不安が、足を止めていました。
けれど、ある日ふと考え方が変わったのです。
知り合いに会わない場所に行こう。
これだけのことが、自分のなかでは大きな発想転換でした。朝早く、人通りの少ない道を選び、隣県まで車を走らせてみました。久しぶりの外出は、想像以上に気持ちがわくわくしました。
結局、目的地もないまま行って帰ってきただけです。それでも、外に出られたという事実が、何よりの収穫でした。
変化2:ドライブに出かけるのが楽しくなった
外に出るって、それだけで一歩前進だね。
一度外に出てしまうと、不思議と「また出てみたい」という気持ちになりました。週に3〜4回、ドライブに出かけるようになります。
目的地は決めず、知り合いに会わなさそうな場所をなんとなく選んで、適当に車を走らせる日々。今思えば、せっかくならその先で美味しいものを食べたり、行ったことのない場所に立ち寄ったりすればよかったと思います。けれど、当時はそんな発想もなく、ただ車を走らせて、行って帰ってくるだけでした。
主治医からも言われていたのは、こんな言葉です。
「何か意味があるからするのではなく、したいと思ったからする」。
遠くまでドライブできるようになったことは、自分のなかで大きな進展でした。最初は夜に眠れていなかったので、運転中に眠気がきたらどうしようという不安もありました。けれど、薬で睡眠が安定してきたおかげで、日中の眠気が薄れ、運転の不安も少しずつ消えていきました。「眠くなったら途中で停めて寝ればいい」と思える時間的な余裕も、後押しになりました。
変化3:スマホの通知に怯えなくなった
休職した最初の頃は、スマホの通知が鳴るたびに頭の中が騒がしくなりました。
- 誰だろう
- 知り合いだったら何て返そう
- 同僚だったらどうしよう
- 電話なんか出たくない
そんなふうに思いながら、ずっと連絡を無視し続けていました。その結果、1か月を過ぎる頃には、ほとんど誰からも連絡が来なくなっていったのです。
これがいいことなのか悪いことなのかはわかりません。けれど、当時の私にとっては、明らかにいいことでした。
「もう知り合いから連絡は来ない」と思えるだけで、通知音への恐怖が消えていきました。たまに電話に出られないことはありましたが、それでも以前より精神的にかなり楽になっていました。
学校からの連絡も校長に一本化してもらっていたので、その安心感が大きかったのだと思います。窓口を絞ってもらえる環境は、本当にありがたかったです。
休職1か月を過ぎた頃のだにえるの1日(リアル)
参考までに、休職2か月目頃の私の1日のスケジュールと、体の変化を書き残しておきます。「回復期にはこんな日もあるんだ」くらいの気持ちで読んでください。
| 時間帯 | 過ごし方 |
|---|---|
| 8:00〜10:00 | 目は覚めているけど起き上がれず、布団の中でぼーっとする |
| 10:00〜12:00 | 水とごはんだけ胃に入れる。テレビもスマホも見ない日もある |
| 13:00〜16:00 | 気が向いたらドライブ。動けない日はひたすら寝る |
| 17:00〜20:00 | 夕食・お風呂。ニュースや教育系のSNSは見ない |
| 22:00〜 | 睡眠薬を服用して就寝。うまく眠れない夜もまだあった |
体重は休職3か月目でマイナス6kgまで落ちました。食欲が戻ってきたのは、この1か月過ぎからで、少しずつ体重も戻り始めます。運動を再開したのは休職4〜5か月目に入ってから。最初はコンビニまでの往復10分の散歩から始めました。
大切なのは、「こうすべき」を自分に課さないことです。主治医や産業医と相談しながら、体調に合わせて動いた日と動けなかった日を、そのまま受け止めてください。
「学校のことを考えたくない」自分を許してよかった
現実逃避って、悪いことじゃないんだね。
1か月を過ぎて気持ちが落ち着いてきた一方で、学校に戻りたいという気持ちはまったく湧いてきませんでした。むしろ「学校のことを考えたくない」という気持ちは、強くなっていったかもしれません。
当時の自分を、現実逃避していると感じる人もいるかもしれません。私自身、そう感じる瞬間もありました。けれど、振り返ると、あの時期の現実逃避は私にとって必要なものだったと思っています。
主治医からも繰り返し言われていたのが、「無理せず、しっかりと休養すること」「学校のことは何も考えずにとにかく休むこと」でした。私はそれを守って生活を続けました。
誰かのアドバイスより、自分の心の声に従う。シンプルですが、回復期にいちばん必要だった姿勢だったと思います。
落ち着いてきた時期にやってよかった3つの過ごし方
1か月を過ぎた頃の私が、結果的に取り入れていてよかったと思うことをまとめます。
- 無理のない範囲で外出する。最初は人気のない時間・場所を選ぶだけで十分です
- 「目的のない行動」を許す。ドライブも散歩も、意味づけなしでOKです
- 連絡窓口を一本化する。誰か信頼できる人を窓口に決めると一気に楽になります
逆に、無理して始めなくてよかったと思うのは、復職に向けた勉強や、SNS・教育ニュースのチェックです。回復段階で情報を浴びると、また心が乱れます。
公立学校の復職プログラム・試し出勤とは(2026年4月時点)
心が少し落ち着いてきたタイミングで、知っておくとラクになるのが公的な復職支援制度です。「いきなりフル稼働しなくていい」ことが制度で保障されています。
復職プログラムの全体像
文部科学省の資料「復職支援プログラムの概要(教育職員)」によると、ほぼすべての都道府県・政令市の教育委員会で精神疾患による病気休職者向けの復職支援プログラムが用意されています。主な構成は次のとおりです。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| ① 医療機関でのリワーク | 公立学校共済組合の病院などで生活リズムを整えるプログラム(大阪府の近畿中央病院・東京都の関東中央病院など) |
| ② 試し出勤(慣らし出勤) | 所属校で原則4〜8週間、週2日の短時間勤務から段階的に日数・時間を増やす |
| ③ 復職判定・復職日決定 | 主治医の診断書・産業医の意見書・管理職の所見をもとに教育委員会が判定 |
| ④ 復職後フォロー | 業務負荷の軽減・校務分掌や担任配置の配慮など |
試し出勤のイメージは、「1週目は週2日・2時間から、2週目は週3日・午前中、3週目以降は軽作業+同僚との短時間会話…」のように、段階を踏んで負荷を上げていく形です。いきなり担任復帰や授業担当に戻されることは、原則としてありません。
復職判定では、主治医の診断書と産業医(または復職担当医)の意見書が必ず必要になります。「主治医が書ける書類」「産業医が書ける書類」は役割が違うので、早めに管理職や共済組合の窓口で確認してください。
制度を使うときの注意点
- 復職プログラムの詳細は都道府県ごとに異なる(期間・実施場所・報酬の扱いなど)
- 試し出勤中は原則として「休職期間中の身分」で、給与・手当は休職中の扱いが続く自治体が多い
- 手続きは管理職・教育委員会・共済組合と並行して進めるので、信頼できる窓口を1人決めておくと安心
公的情報の出典は次のとおりです(2026年4月時点の確認)。
- 文部科学省:復職支援プログラムの概要(教育職員)令和5年度版
- 公立学校共済組合 関東中央病院:東京都教員職場復帰支援連携プログラム
- 厚生労働省:メンタルヘルス対策における職場復帰支援の手引き
「復職・退職・非常勤復帰」3つの道を整理する
1か月を過ぎて少し頭が働くようになってくると、多くの人が次に悩むのが「この先どうするか」です。ここで大切にしてほしいのは、選択肢は「復職か退職か」の2択ではない、ということです。
| 選択肢 | 合っている人 | 注意点 |
|---|---|---|
| ① 元の職場へ復職 | 環境の相性は悪くなかった人/復職プログラムで段階的に戻れる人 | 配置転換の希望は早めに伝える |
| ② 退職+他業種へ転職 | 学校現場そのものが合わないと感じている人 | 転職エージェントを併用して比較検討する |
| ③ 退職+非常勤講師として教育現場に残る | 子どもと関わる仕事は続けたいが、校務分掌・長時間勤務から離れたい人 | 収入・社会保険が変わる/副業と組み合わせる前提で設計 |
③の「非常勤講師」という選択肢は、意外と知られていません。講師登録をすれば教員免許を持っている人はなりやすく、週18時間以内の授業担当が中心で、原則として校務分掌はありません。
収入は大きく下がりますが、「学校は好きだけど今のフルスペック勤務は無理」という人にとって、現実的な第3の道になります。私が選んだのも、この非常勤講師の道でした。
転職先の比較をしたい人は、教員におすすめの転職エージェント比較と教員からの転職先の選び方も参考になります。
転職エージェントは相談だけでも無料なので、「今すぐ辞めない」人でも情報収集として使えます。私が実際に使った感想は別記事にまとめていますが、最初の1社として[AF_LINK_リクルートエージェント]、第二新卒・20代なら[AF_LINK_doda]、教員職を活かすなら[AF_LINK_教員人材バンク]が相談先として選びやすい印象でした。
だにえるが「非常勤講師」を選んだ理由
正規に戻らないって、勇気いるね。
私は最終的に、元の学校への復職ではなく、退職して小学校の非常勤講師として戻る道を選びました。理由は3つあります。
- 校務分掌・保護者対応・長時間勤務が心身の負担の大半だった。授業そのものよりも、授業外の仕事量で潰れていたと気づいたからです。
- 子どもと関わることは続けたかった。教壇に立つこと自体は好きだと再確認できました。
- 副業・YouTube・ブログと組み合わせて収入を複線化したかった。1本足打法で疲弊した経験から、複数の柱で生きたいと考えました。
正規教員の身分・安定収入を手放すのは、もちろん怖かったです。でも、「フル稼働の正規で潰れて人生が止まるより、非常勤+副業で細く長く生きるほうが自分には合っている」と、休職期間のなかで少しずつ腹落ちしていきました。
同じように悩んでいる人へ。「辞める=教育から離れる」ではありません。「辞める=別の関わり方で教育に残る」も立派な選択肢の一つです。
こんな人に読んでほしい/向かない記事です
読んでほしい人
- 休職して1か月ほど経ち、少し気持ちに波が出てきた教員の方
- このまま復職していいのか迷い始めている人
- 退職・非常勤・転職の選択肢を整理したい人
この記事が向かないかもしれない人
- 休職したばかりで、制度や将来の話を読むのが重く感じる人(その場合は休職への決意の話から読んでください)
- 法律・労務の詳細な条文解釈を求めている人(専門家や共済組合の窓口にご相談ください)
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よくある質問(FAQ)
Q1. 休職して1か月経ったら、そろそろ動き出すべきですか?
いいえ、人によります。1か月は回復のスタートラインに立ったばかりの時期です。焦って動くと再発しやすいので、主治医と相談しながら「したいと思った行動」だけを選んでください。
Q2. 復職プログラムは必ず受けないといけませんか?
自治体によって運用が異なりますが、精神疾患による休職からの復職では、多くの教育委員会で試し出勤などのプログラム受講が復職条件になっています。詳細は所属の教育委員会・管理職・共済組合の窓口に確認してください。
Q3. 復職の判断には、主治医の診断書だけでいいですか?
いいえ。多くの自治体で主治医の診断書と、産業医(または復職担当医)の意見書の両方が必要です。役割が違うので、早めに管理職・共済組合へ確認してください。
Q4. 退職して非常勤講師になったら収入はどれくらい下がりますか?
勤務時間・自治体・持ちコマ数で大きく変わりますが、正規教員と比べて年収が半分前後になる人が多いです。副業・配偶者の収入・貯蓄との組み合わせで生活設計を立ててください。
Q5. 復職せずそのまま退職・非常勤の道を選ぶのはよくあることですか?
はい、実際にいます。文科省の令和4年度「公立学校教職員の人事行政状況調査」でも、精神疾患による休職者のうち一定数が復職ではなく退職・異動を選んでいることが報告されています。選択自体は珍しいものではありません。
Q6. いま涙が止まらないのですが、この記事を読んでいて大丈夫でしょうか?
読むのをいったん止めて、呼吸を整えてください。強い希死念慮があるときは、すぐに厚生労働省「まもろうよこころ」または主治医・家族に連絡してください。記事は落ち着いてから読めば十分です。
まとめ:焦らず、自分のペースで、戻り方も選んでいい
焦らない、自分のペースで大丈夫。
休職1か月を過ぎた頃のポイントをまとめます。
- 外出・ドライブ・連絡恐怖の解消など、小さな変化を自分で認める
- 1日のリアルは「起き上がれない日」も込みで全部OK
- 復職プログラム・試し出勤という公的な段階的復帰制度がある
- 選択肢は「復職/退職/非常勤復帰」の3つ以上ある
- だにえるは非常勤+副業という第3の道を選んだ
休職に至るまでの経緯は【休職中の過ごし方⓪】休職への決意の話で、面談の話は【教員休職中の過ごし方①】校長が家に来た話、休職直後のリアルは【教員休職中の過ごし方②】最初の1か月の話で書いています。シリーズで読んでもらえると、回復の流れがイメージしやすいと思います。
次の一歩として役立つ記事も用意しています。
ちなみに、私は今YouTubeチャンネル「小学生でもわかるAI」を準備中で、ブログ執筆と並行して活動しています。非常勤+副業の「細く長く働く」形は、休職を経験したからこそ選べた働き方だと感じています。
今まさに休職中のあなたへ。「今日も何もできなかった」と感じる日があっても、それは止まっているわけではありません。心は静かに、確実に回復に向かっています。明日、ちょっとだけ深呼吸できたら、それで十分です。一緒に、明日も生きていきましょう。以上、だにえるでした。
最終更新日:2026年4月23日/著者:だにえる(元公立小学校教員/現・小学校非常勤講師/YouTube「小学生でもわかるAI」運営)
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