教員の初任給は月225,523円|47都道府県一覧と、手取りになるまでの引き算

朝の光が差し込む木の机の上に、封筒から出した給与明細のような紙と電卓、開いたノートとペンが置かれているイラスト 先生になる

採用が決まったあとに最初に浮かぶのは、たいてい「で、いくら振り込まれるんだろう」だと思います。先輩に聞くには生々しすぎるし、募集要項に書いてある数字は、自分の場合に当てはめにくい。

先に答えを書きます。公立の小・中学校教諭(大学卒)の初任給は、47都道府県の平均で月225,523円。いちばん高いのが愛知県の231,500円、いちばん低いのが東京都の210,400円です(総務省・令和6年4月1日現在の調査/2026年8月11日確認)。

ただ、この額がそのまま口座に入ることはありません。ここに教職調整額と諸手当が乗り、そこから共済の掛金と税が引かれます。この記事では、47都道府県の一覧と、表の額が手取りになるまでの「上乗せ」と「引き算」を順に見ていきます。自分の県の数字を自分で出す手順も、最後に置きました。

給料の全体像(平均給料・47都道府県ランキング・額面と手取りの差)は別の記事にまとめてあります。入り口の額より、その先が知りたい人は先にそちらを開いてください。
教員の給料はいくら?47都道府県ランキングと、額面では見えない手取りの話

教員の初任給は、47都道府県の平均で月225,523円

総務省の「令和6年 地方公務員給与実態調査(補充調査)」第4表「初任給」に、都道府県別の初任給が載っています。教育職に当たるのは、次の4区分です。

区分(表の列名のまま) 都道府県計
小・中学校教諭/大学卒(選考) 225,523円
高等学校教諭/大学卒(選考) 225,519円
小・中学校教諭/短大卒(選考) 205,239円
高等学校教諭/短大卒(選考) 202,088円

「(選考)」は、総務省の表の列名にそのまま書かれている表記です。この記事でもその区分名を変えずに使います。

数字を見る前に、範囲を一度そろえておきます。この表の「(1)都道府県」は、都道府県が給与を負担する分です。政令指定都市は、県とは別に教員を採用していて、集計も別の区分になります。志望先が指定都市なら、この表の県の数字とは一致しません。

47都道府県の初任給一覧

単位は円です。「−」は、表の元の値がハイフン(該当データなし)だった箇所を、そのまま残しています。自分の県の行だけ見てもらえれば十分です。

都道府県 小・中 大学卒 高校 大学卒 小・中 短大卒 高校 短大卒
北海道 219,700 219,700 197,600 194,800
青森県 226,100 226,100 206,100 203,000
岩手県 221,500 221,500 199,200 196,300
宮城県 227,600 227,600 207,500 204,400
秋田県 227,400 227,400 207,285 204,167
山形県 223,100 223,100 200,200 197,200
福島県 230,500 230,300 209,900 206,500
茨城県 226,100 226,100 206,100 203,000
栃木県 226,100 226,100 206,100 203,000
群馬県 224,400 224,400 204,000 200,900
埼玉県 229,652 229,652 209,337 206,189
千葉県 226,600 226,600 206,600 206,600
東京都 210,400 210,400 194,300 194,300
神奈川県 219,700 219,700 197,600 197,600
新潟県 226,100 226,100 226,100 203,000
富山県 226,100 226,100 206,100 203,000
石川県 220,200 220,200 198,100 195,300
福井県 226,100 226,100 206,100 203,000
山梨県 227,795 227,795 207,645 204,522
長野県 231,000 231,000 210,500 207,400
岐阜県 230,100 230,100 209,700 206,500
静岡県 230,373 230,373 209,995 206,836
愛知県 231,500 231,500 211,000 211,000
三重県 229,000 229,000 209,000 205,900
滋賀県 229,299 229,299 209,016 205,872
京都府 228,900 228,900 208,700 205,600
大阪府 227,000 227,000 206,200 203,300
兵庫県 226,100 226,100 206,100 206,100
奈良県 226,100 226,100 206,100 203,000
和歌山県 226,100 226,100 206,100 203,000
鳥取県 226,100 226,100 206,100 203,000
島根県 221,224 221,224 198,971 196,151
岡山県 231,300 231,300 206,800 203,600
広島県 229,545 229,545 209,285 206,145
山口県 227,500 227,500 207,400 204,300
徳島県 226,100 226,100 206,100 203,000
香川県 226,100 226,100 206,100 203,000
愛媛県 227,388 227,388 207,274 204,157
高知県 224,600 224,600 202,700 199,800
福岡県 226,100 226,100 206,100 203,000
佐賀県 220,700 220,700 198,200 195,300
長崎県 219,700 219,700 197,600 194,800
熊本県 226,100 226,100
大分県 226,800 226,800 206,700 203,600
宮崎県 219,700 219,700 197,600 194,800
鹿児島県 220,300 220,300 198,200 195,300
沖縄県 219,700 219,700 197,600 194,800
都道府県計 225,523 225,519 205,239 202,088

出典:総務省「令和6年 地方公務員給与実態調査(補充調査)」第4表 初任給/1 都道府県別・団体区分「(1)都道府県」。統計表はe-Stat の令和6年 地方公務員給与実態調査(補充調査)の統計表一覧から確認できます(e-Stat公開日 2025年9月18日)。

表を眺めて気づくこと3つ

まず、大学卒の初任給は、小・中学校と高校でほとんど同じです。47都道府県のうち金額が違うのは福島県だけで、小・中が230,500円、高校が230,300円。差は200円です。「高校のほうが初任給が高い」という差は、少なくともこの表には出ていません。

次に、226,100円という同じ額が14県で並びます。青森・茨城・栃木・新潟・富山・福井・兵庫・奈良・和歌山・鳥取・徳島・香川・福岡・熊本。県ごとにばらばらに決めているというより、そろっている県のほうが多い、という見え方になります。

最後に、いちばん高い愛知県(231,500円)といちばん低い東京都(210,400円)の差は21,100円。12か月ぶんなら253,200円です。ただしこれは、この表の初任給の欄だけを12倍した数字で、手当もボーナスも入っていません。

東京都が最下位なのは、東京の先生の給料が安いという意味ではありません

東京都が47位に来るのは、勤務地に応じて支給される地域手当が、給料表とは別建てになっているためです。同じ構造は平均給料のほうにも出ていて、東京都は手当を入れた基本給では小・中学校で1位ですが、地域手当を除いた「給料」だけで見ると47都道府県で最も低くなります。この逆転は47都道府県ランキングの記事で数字を並べてあります。

ただし、この第4表の初任給に地域手当が含まれているのかどうかは、表に定義の注記がなく、この記事では確認できていません。含まれていない額と読むのが自然ですが、断定はしないでおきます。志望先の実額は、あとで出てくる手順で条例から直接確かめてください。

表の額は、そのまま振り込まれません

初任給の欄の金額は、給料表の入り口の額です。実際の支給額は、ここに何かが乗り、そこから何かが引かれた後の数字になります。

上乗せ1:教職調整額。2026年は給料月額の5%です

公立学校の先生には、給料とは別に教職調整額が支給されます。金額の基準は法律に書かれています。給特法(公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法)第3条第1項は、給料月額の「百分の十」に相当する額を基準として、条例で定めるところにより支給しなければならない、としています(幼稚園の教育職員は百分の四)。

ただし、いきなり10%ではありません。同じ法律の附則に、期間ごとの読み替えの表があります。

期間 第3条第1項の「百分の十」を読み替える率
令和8年1月1日〜令和8年12月31日 百分の五(5%)
令和9年1月1日〜令和9年12月31日 百分の六(6%)
令和10年1月1日〜令和10年12月31日 百分の七(7%)
令和11年1月1日〜令和11年12月31日 百分の八(8%)
令和12年1月1日〜令和12年12月31日 百分の九(9%)

読み替えの表は令和12年で終わります。その先は本則の百分の十が適用されます。

つまり、2026年(令和8年)のいまは5%です。この記事を書いている2026年8月11日時点で、e-Gov法令検索に載っている給特法の条文と附則を確認しました。長く4%だった率が上がったのは、給特法等の一部を改正する法律(令和7年法律第68号)によるものです。文部科学省の概要資料には「教職調整額の基準となる額を給料月額の4%から10%まで段階的に引き上げる」「(処遇改善の部分は)令和8(2026)年1月1日施行」と書かれています。

初任給が226,100円の県なら、5%は11,305円です。来年は6%になります。ネットで見つかる古い記事は4%のまま止まっているものが多いので、自分で確かめるときは、条文か自治体の条例を見てください。

教職調整額は「残業代の代わり」です

同じ給特法第3条の第2項に、こう書かれています。教育職員については、時間外勤務手当及び休日勤務手当は、支給しない。

残業代が出ないのは運用の話ではなく、法律の条文です。何時間残っても、この教職調整額の額は変わりません。

もうひとつ、第3条第3項第1号に重要な定めがあります。地域手当・期末手当・勤勉手当などを計算するとき給料を基礎にする場合は、給料の額に教職調整額の額を加えた額を基礎にする、というものです。教職調整額が5%から上がっていくと、ボーナスや地域手当の計算の土台も一緒に上がります。

上乗せ2:地域手当

地域手当は、勤務する地域によって金額が変わる手当です。地方公務員の地域手当は各自治体の条例で決まります。同じ県でも市町村によって支給割合が違うことがあるため、志望先の自治体の条例で「どの地域が何%か」を見ておくと、初任給の順位とは違う景色が見えます。

上乗せ3:期末勤勉手当(ボーナス)

初任給に12を掛けても、1年目の年収にはなりません。期末勤勉手当の支給月数は各自治体の給与条例で決まり、この記事では確認していないからです。とくに1年目は、年度途中からの在職になる分の扱いがあります。金額は志望先の条例で確かめてください。

上乗せ4:勤務先で変わる手当

通勤手当・住居手当のほかに、勤務先の学校によって付く手当があります。へき地手当もそのひとつです。

私が勤めていたときの感覚だと、へき地手当は学校によって大きく変わります。多いところだと5万円くらいになります。金額は給料に対する率で決まっています。配属先が決まるまで読めない部分がある、ということです。

引き算:控除

支給の合計から引かれるのは、主に次のものです。

  • 共済組合(公務員の健康保険と年金にあたる仕組み)の掛金
  • 所得税
  • 住民税
  • 自治体や学校によっては、互助会費・職員団体の会費など

手取りは、支給欄の合計から控除欄の合計を引いた残りです。控除の額は扶養の人数・住んでいる市町村・共済の掛金率で変わるので、「額面いくらなら手取りいくら」の早見表はこの記事に置いていません。他人の平均から逆算しても、自分の数字にはならないからです。

1年目と2年目で、手取りの引かれ方が変わります

控除のうち、住民税だけは1年目と2年目で扱いが違います。住民税は、前の年の1月1日から12月31日までの所得で額が決まるからです(総務省の個人住民税の説明ページ)。

4月に働き始めた1年目は、前年に所得がほとんどありません。だから住民税はほぼ引かれません。所得が発生した年の翌年から、給与天引き(特別徴収)が始まります。

「昇給しているのに手取りが増えた気がしない」という話が2年目に出てくるのは、この順番のためです。額面は上がっているのに、引かれるものが1つ増えます。

私は「住民税の納付が始まるので気をつけて」と言われたことがあります。ただ、自分では手取りが減った印象はありませんでした。制度としてはそうなるという話と、自分の実感は、ここで一致していません。

私の初任の頃は、額面22万円・手取り17万円でした

私の場合は、初任の頃で額面が大体22万円、手取りが大体17万円でした。差はおよそ5万円です。

これは初任の頃の数字なので、いまの私の数字でもありませんし、すべての教員に当てはまる数字でもありません。ただ、「額面と手取りの差はこのくらい開く」という感覚のあたりを付ける材料にはなると思います。

そのあとの昇給についても書いておきます。給料が少し増えたのかな、と思うくらいで、実感としてはほぼありませんでした。毎年7千円くらいだったと思います。統計の数字ではなく、私の記憶にある金額です。

自分の初任給を調べる3ステップ

平均ではなく自分の額を出すなら、見るものは3つです。全部、志望先の自治体が公開しています。

  1. 教育職給料表。給与条例の別表にあります。1級の号給ごとの給料月額が並んでいます。小中学校用と高校用で分かれていることがあります。
  2. 初任給決定基準。自分がどの級のどの号給から始まるかを決める基準です。学歴や前歴の扱いはここで決まります。募集要項に初任給の記載があれば、そちらも合わせて見ます。
  3. 地域手当の支給割合と、期末勤勉手当の支給月数。どちらも条例に書かれています。

自治体のサイトで「給与条例」「給料表」と検索すると、たいてい見つかります。条例の名前は自治体ごとに違うので、例規集(条例や規則をまとめたページ)から探すのが確実です。見つからないときは、教育委員会の採用担当に聞くのがいちばん早いです。

この3つに、この記事で見た教職調整額(2026年は給料月額の5%)を足すと、支給側のおおよその形ができます。そこから控除が引かれた残りが手取りです。

初任給が高い県を選べばいいのか

月21,100円の差は、たしかにあります。ただ、この順位表は「移り住めば手に入る額の表」ではありません。

理由は3つです。ひとつは地域手当が別建てで、勤務地によって上乗せが変わること。ふたつめは、家賃も車も灯油代も、この表には1円も載っていないこと。私の場合は移動が車中心なので、ガソリン代や車検代がかかりますし、冬は灯油などの燃料費も必要です。

みっつめは、初任給よりも、そのあと号給が上がっていく速さと期末勤勉手当の月数のほうが、長い目で見ると効いてくることです。入り口の21,100円は、10年経つと別の数字に変わっています。

県をまたぐ移動のしにくさや、順位が高い県を選ぶことの意味は、47都道府県ランキングの記事のほうで詳しく書きました。

働き始めてから「この給料は割に合っているのか」を考えたくなったら、労働時間で割り戻した記事もあります。
教員の給料を時給に割り戻して考えた話

病気やけがで休むことになったときに給与がどうなるかは、こちらで整理しています。
教員の休職中の給与・手当はどうなる?

よくある質問

Q1. 教員の初任給はいくらですか?

公立の小・中学校教諭(大学卒・選考)で、47都道府県の平均が月225,523円です。高等学校教諭(大学卒・選考)は225,519円、短大卒はそれぞれ205,239円・202,088円(総務省・令和6年)。ただし給料表の額であり、手当を足して控除を引いた後の手取りとは別の数字です。

Q2. 初任給がいちばん高い県・低い県はどこですか?

小・中学校教諭(大学卒)で見ると、いちばん高いのが愛知県の231,500円、いちばん低いのが東京都の210,400円です。差は21,100円。東京都が下に来るのは、地域手当が給料表とは別建てになっているためです。

Q3. 小学校と高校で初任給は違いますか?

大学卒ではほとんど違いません。47都道府県のうち金額が違うのは福島県だけで、小・中が230,500円、高校が230,300円です(総務省・令和6年 第4表)。

Q4. 表の初任給がそのまま振り込まれますか?

振り込まれません。給料月額に教職調整額(2026年は5%)が乗り、地域手当や通勤手当などの諸手当が加わります。そこから共済組合の掛金・所得税・住民税などが引かれた残りが手取りです。

Q5. 教職調整額はいま何%ですか?

2026年(令和8年)は給料月額の5%です。給特法第3条第1項の本則は10%ですが、附則の読み替えで令和8年が5%、以降1年ごとに6%・7%・8%・9%と上がり、令和13年から本則の10%になります(幼稚園の教育職員は4%)。

Q6. 教員に残業代は出ますか?

出ません。給特法第3条第2項に「教育職員については、時間外勤務手当及び休日勤務手当は、支給しない」と書かれています。教職調整額はその代わりに給料月額へ上乗せされているもので、残業した分だけ増えるお金ではありません。

Q7. 1年目より2年目のほうが手取りが少なく感じるのはなぜですか?

住民税は前の年の所得で額が決まるためです。4月採用の1年目はほとんど引かれず、2年目から給与天引きが始まります。額面は上がっているのに引かれるものが増えるので、増えた実感が出にくくなります。

まとめ

  • 公立の小・中学校教諭(大学卒)の初任給は、47都道府県の平均で月225,523円。最高は愛知県231,500円、最低は東京都210,400円(総務省・令和6年)。
  • 大学卒の初任給は小・中と高校でほぼ同額。47都道府県のうち違うのは福島県だけです。
  • この額に教職調整額(2026年は給料月額の5%。令和13年に10%へ)と諸手当が乗り、共済の掛金と税が引かれた残りが手取りになります。
  • 自分の額は、志望先の教育職給料表・初任給決定基準・地域手当の支給割合の3つで出せます。平均から逆算しても自分の数字にはなりません。

初任給は入り口の額です。この額で暮らしが決まるわけでもないし、この額でこれから何年働くかを決める必要もありません。志望先が絞れたら、条例を1回だけ開いてみてください。それだけで、募集要項より具体的な数字が手に入ります。

この記事の数字について

  • 初任給の金額は、総務省「令和6年 地方公務員給与実態調査(補充調査)」第4表の公表値をそのまま使っています。推計や平均からの逆算は使っていません。
  • この第4表の初任給に地域手当や教職調整額が含まれるかどうかは、表に定義の注記がなく、確認できていません。
  • 2026年8月11日時点で、より新しい令和7年分の第4表はe-Statに公表されていません(令和7年分は「地方公共団体別給与等の比較」24件のみ)。
  • 教職調整額の率は、e-Gov法令検索の給特法の条文と附則で2026年8月11日に確認しました。実際に支給される額は各自治体の条例で決まります。
  • 期末勤勉手当(ボーナス)の支給月数は確認していないため、この記事では年収の金額を出していません。

個別の給与額・控除額は、勤務先または志望先の自治体の給与条例と、実際の給与明細で確認してください。

この記事を書いた人

だにえる/元・正規教員で、いまは小学校の非常勤講師をしています。休職も経験しました。教員の休職・退職・お金まわりのことを、自分が調べて詰まったところから書いています。

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