小学校・中学校・高校で教員の給料はどう違う?年収の差がつく理由まで文科省の統計で比較

窓辺の机に、厚みの違う三冊のノートと電卓、万年筆、コーヒーカップが並ぶ水彩画。小学校・中学校・高校の給料を比べる記事のアイキャッチ 先生のリアル

小学校・中学校・高校。同じ教員でも、働く校種によって給料は違います。いちばん高いのは高校で、いちばん低い小学校との差は月31,000円でした。

「高校のほうが給料はいい」。私も教員同士でそういう噂を聞いたことがあります。そもそもの給料が高いらしい、という話でした。

本当なのか、文部科学省の統計で確かめました。学校教員統計調査(令和4年度)という、全国の学校の先生の給料や勤務年数を集めた調査です。平均の給料月額は、小学校322,800円、中学校334,800円、高等学校353,800円。噂は当たっていました。

給料月額は、手当もボーナスも入っていない、基本の給料だけの月額です。実際に振り込まれる額ではありません。数字の対象は「本務教員」で、その学校を本務先として勤めている先生です。非常勤講師は入っていません。

ただ、この統計を最後まで見ると、そのまま「高校が得だ」とは言えなくなりました。高校の先生は平均勤務年数が18.4年で、小学校より2.2年長い。勤めた年数が長ければ給料は上がるので、給料の差には、この勤務年数の長さも入っています。しかも週の授業のコマ数がいちばん多いのは、給料がいちばん低い小学校(18.1単位時間)でした。

校種を変えただけで暮らしが変わるほどの差は、少なくともこの統計からは見えませんでした。

ページごとに金額が違って戸惑った方は「同じ校種なのに、調べるページで金額が違う」から読んでください。自分の校種の数字だけ見たい方は小学校中学校高校へ。これから校種を選ぶ方は「校種より、勤務地と年数のほうが金額を動かします」へ進んでください。

※ 文部科学省・総務省の公開資料をもとに作成(2026年8月24日確認)。私は元・公立小学校の正規教員で、現在は小学校の非常勤講師です。

  1. 小・中・高で、給料月額は月31,000円違います
    1. 3つの校種を、同じ統計・同じ年で比べた表
    2. この31,000円は、年収の差ではありません
    3. 授業のコマ数がいちばん多いのは、小学校です
  2. 同じ校種なのに、調べるページで金額が違う
    1. 文部科学省の数字は、校種を分けられる代わりに手当が入っていない
    2. 総務省の数字は、手当が入っている代わりに校種が2つにしか分かれない
    3. どちらの統計を見るかは、知りたいことで決まります
  3. 小学校教員の給料と年収
    1. 平均給料月額は322,800円、公立だけなら322,300円
    2. 年収の目安は約494万円(ボーナスは別)
  4. 中学校教員の給料と年収
    1. 平均給料月額は334,800円。小学校との差は月12,000円
    2. 校種を選んだとき、給料は見ていませんでした
  5. 高校教師の給料は本当に高い?
    1. 「高校のほうが給料はいい」を、数字で確かめる
    2. 私立のほうが公立より2,100円高い。ただし勤続年数は4.3年短い
    3. 高校教師の年収の目安は約520万円(特別支援学校の先生を含む区分)
  6. 差がつく理由を、この統計から言えるところまで
    1. 勤めている年数が、校種で2.2年違います
    2. 高校の平均には私立が入っています
    3. 男女差は、校種の差より大きい
    4. 給料表そのものの違いは、この統計からは分かりません
  7. 校種より、勤務地と年数のほうが金額を動かします
    1. 都道府県の差は、小学校で54,500円ありました
    2. 上位に東北の県が並ぶのは、給料表が高いからではありません
    3. 年数の差は、校種の差より大きく効きます
    4. 振り込まれる額を知りたいなら、引き算が近道です
  8. この統計に入っていない先生
  9. よくある質問
  10. まとめ
  11. 今日やるなら、これ1つ

小・中・高で、給料月額は月31,000円違います

3つの校種を、同じ統計・同じ年で比べた表

小学校322,800円、中学校334,800円、高等学校353,800円。この3つは同じ調査の同じ年の数字なので、そのまま比べられます。文部科学省の学校教員統計調査が、小学校・中学校・高等学校を別々の表で集計しているからです。校種で給料を比べたいとき、いちばん素直に使えたのがこの統計でした。

表1:校種別の平均給料月額・平均勤務年数・週の授業時数(文部科学省「学校教員統計調査」令和4年度・本務教員・国公私立の計)
校種 平均給料月額 平均勤務年数 週の授業時数
小学校 322,800円 16.2年 18.1単位時間
中学校 334,800円 16.8年 14.3単位時間
高等学校 353,800円 18.4年 13.5単位時間
小学校と高校の差 +31,000円 +2.2年 −4.6単位時間
小学校322,800円・中学校334,800円・高等学校353,800円の平均給料月額を横棒で比べた図。小学校と高等学校の差は月31,000円
校種別の平均給料月額

表注:金額は千円単位で公表されているものを円に直しました(322.8千円=322,800円)。授業時数は「単位時間」で数えたもので、時計の時間ではありません。

小学校から中学校で12,000円、中学校から高校で19,000円。上の校種にいくほど、差は大きくなります。

出典:文部科学省「学校教員統計調査」令和4年度 表26(小学校)
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040167987 (2026年8月24日確認)
同 表37(中学校)https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040167998 /同 表58(高等学校)https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040168019 (いずれも2026年8月24日確認)

この31,000円は、年収の差ではありません

表1の金額は「給料」です。地域手当も住居手当も扶養手当も、期末勤勉手当(ボーナス)も入っていません。

31,000円を12倍すれば、年に37万2千円。ただ、これがそのまま年収の差になるわけではありません。手当は勤務地や家族構成で変わり、ボーナスは月給とは別に年2回出ます。年収の話は、手当が入っている統計に切り替えてページによって金額が違う理由のところで書きます。

授業のコマ数がいちばん多いのは、小学校です

小・中・高の給料月額と週の授業コマ数を並べた図。給料が上がる順とコマ数が減る順が逆になっている
給料の順番と、授業のコマ数の順番

表1でいちばん引っかかったのは、ここでした。給料の順番と、授業のコマ数の順番が逆でした。

週の授業時数は小学校18.1単位時間、中学校14.3単位時間、高等学校13.5単位時間。給料がいちばん低い小学校が、コマ数ではいちばん多い。高校とのコマ数の差は4.6単位時間です。

学級担任として1日のほとんどを教室で過ごす小学校と、教科担任として空き時間が入る中学校・高校。時間割の組み方が違うので、コマ数にもそのまま出ます。授業のコマ数が多い校種ほど給料も高い、というわけではありませんでした。

ただし、1単位時間の長さは小学校・中学校・高校で違います。コマ数が多い少ないが、そのまま働いている時間の長さの差になるわけではありません。この統計から言えるのは、コマ数の差までです。

同じ校種なのに、調べるページで金額が違う

小学校教員の年収を調べていると、300万円台と書いてあるページと、600万円台と書いてあるページが同時に出てきます。どちらかが間違っているのだろうと思いましたが、そうではありませんでした。見ている統計が違います。

違いは4つでした。手当が入っているか。校種をどこで区切っているか。私立を含んでいるか。いつの調査か。この4つを確かめれば、金額が違う理由はだいたい説明がつきます。

文部科学省の数字は、校種を分けられる代わりに手当が入っていない

「小学校の先生と高校の先生で、どのくらい違うのか」を知りたいときは、この統計です。表1で使った学校教員統計調査は、小学校・中学校・高等学校が、それぞれ別の表に分かれています。私立の学校の先生も入っています。そのかわり、集計されているのは給料月額だけです。

総務省の数字は、手当が入っている代わりに校種が2つにしか分かれない

もうひとつが、総務省の地方公務員給与実態調査です。こちらは手当まで入れた金額を公表しています。令和6年の調査では、小・中学校教育職の平均給与月額が411,965円(給料353,632円+諸手当58,333円)、高等学校教育職が433,141円(給料370,300円+諸手当62,841円)でした。給与月額は、手当を足したあと、税や共済の掛金を引く前の金額です。

ただし、この2つの金額をそのまま比べてはいけません。調査の注記を読んで気づきました。「高等学校教育職」には特別支援学校と専修・各種学校の先生が入り、「小・中学校教育職」には幼稚園の先生が入っています。小学校の先生だけの平均でも、高校の先生だけの平均でもありません。地方公務員の調査なので、私立学校の先生も入っていません。

表2:2つの統計の違い(2026年8月24日時点で公表されているもの)
項目 文部科学省 学校教員統計調査 総務省 地方公務員給与実態調査
校種の分け方 小学校・中学校・高等学校が別の表 「小・中学校教育職」「高等学校教育職」の2区分(前者に幼稚園、後者に特別支援学校・専修各種学校を含む)
手当 含まない(給料のみ) 月ごとの手当を含む(期末勤勉手当は含まない)
対象 国立・公立・私立 地方公務員=公立のみ
調査時点 令和4年度 令和6年4月1日現在
公表されている額 小322,800円/中334,800円/高353,800円 小中411,965円/高433,141円
文部科学省の学校教員統計調査と総務省の地方公務員給与実態調査で、分かることと入っていないものを比べた図
2つの統計の違い

「高校が高い」という順番は、どちらの統計でも変わりません。変わるのは、差の大きさです。文部科学省の給料月額で見ると小学校と高校で31,000円、総務省の給与月額で見ると小中と高校で21,176円。区切り方が違うので、この2つの差額をそのまま比べても意味がありません。ただ、どちらで見ても高校が上でした。

年収の話に使えるのは、手当が入っている総務省の調査です。平均給与月額を12倍すると、小・中学校教育職で約494万円、高等学校教育職で約520万円。ここに年2回の期末勤勉手当が加わるので、実際の年収はこれより上になります。単純に掛けただけの概算なので、誰かが実際に受け取っている金額ではありません。

出典:総務省「令和6年地方公務員給与実態調査結果等の概要」p.7 第9表・p.6 第8表の注記
https://www.soumu.go.jp/main_content/000983537.pdf (2026年8月24日確認)

どちらの統計を見るかは、知りたいことで決まります

校種で比べたいなら文部科学省の調査、振り込まれる額に近い数字がほしいなら総務省の調査。これだけ決めておけば、検索結果に並ぶ金額の差にふりまわされずに済みます。

古い調査年の数字がそのまま残っているページもあります。金額を見つけたら、その数字が何年のもので、手当が入っているかどうかを先に確かめてください。それだけで、比べられる数字かどうかが判断できます。

小学校教員の給料と年収

平均給料月額は322,800円、公立だけなら322,300円

小学校の本務教員の平均給料月額は322,800円です。公立だけに絞ると322,300円。全体と公立の差は500円しかありません。小学校は公立が大部分を占めるので、全体の数字と公立の数字はほとんど同じ金額になります。

平均勤務年数は16.2年、週の授業時数は18.1単位時間(公立は18.2単位時間)でした。

男女別では、男性343,400円、女性310,000円。男女の差は33,400円です。3つの校種の中でいちばん大きい数字で、正直、ここがいちばん驚きました。なぜこれだけ差がつくのかは、勤務年数の男女差なのか、管理職になっている人の割合なのか、この表からは読み取れませんでした。

年収の目安は約494万円(ボーナスは別)

学校教員統計調査からは、小学校教員の年収は出せません。手当もボーナスも入っていないからです。

年収の目安がほしいときは、総務省の小・中学校教育職の平均給与月額411,965円を12倍した約494万円が、いちばん近い数字になります。ここに期末勤勉手当が乗ります。ただしこの区分には中学校の先生と幼稚園の先生が入っていて、小学校だけの数字ではありません。

自分の給料に近い数字を知りたいなら、平均ではなく初任給や経験年数で見るのが早いです。47都道府県の初任給と、そこから手当が乗って控除が引かれるまでの流れは、教員の初任給と、手取りになるまでの引き算をまとめた記事に書きました。

中学校教員の給料と年収

平均給料月額は334,800円。小学校との差は月12,000円

中学校の本務教員の平均給料月額は334,800円。公立だけなら332,000円です。全体と公立の差は、小学校では500円でしたが、中学校では2,800円あります。私立中学校の先生が、全体の平均を少しだけ押し上げています。

平均勤務年数は16.8年で、小学校より0.6年長いだけ。週の授業時数は14.3単位時間(公立14.5単位時間)で、小学校より3.8単位時間少なくなります。教科担任制の分、持ちコマ数が減ります。

男女別は、男性346,100円、女性319,900円。男女の差は26,200円です。

中学校だけの年収は、探しても出てきませんでした。総務省の統計では中学校の先生も「小・中学校教育職」に入っていて、小学校と分けた金額が公表されていないからです。目安になるのは、小学校と同じ約494万円です。

校種を選んだとき、給料は見ていませんでした

私は小学校の教員でしたが、中学校で勤務した経験もあります。

校種を選ぶときに、給料のことは何も気にしていませんでした。

それで損をしたのかどうか。少なくともこの統計で見るかぎり、小学校と中学校の給料月額の差は月12,000円です。

これから校種を選ぶ方に「気にするな」と言いたいわけではありません。ただ、この記事に出てくる金額は、どれも平均です。自分がどの県で何年働くかが、後で効いてきます。勤務地と勤続年数でどのくらい動くかは、「校種より、勤務地と年数のほうが金額を動かします」のところで数字を出しました。

高校教師の給料は本当に高い?

「高校のほうが給料はいい」を、数字で確かめる

高等学校の本務教員の平均給料月額は353,800円。小学校より31,000円、中学校より19,000円高く、3つの校種の中でいちばん高い金額です。金額の順番については、聞いていた話のとおりでした。

私が聞いたのは「そもそもの給料が高い」という話です。ただ、これは教員同士の噂で、誰かが数字を見せてくれたわけではありません。だから、表を開きました。

引っかかったのは、その隣の列です。平均勤務年数は18.4年で、小学校より2.2年長い。教員の給料は、自治体が定めた給料表で決まります。勤めた年数が増えると上がっていく表なので、長く勤めている先生が多いほど、平均は高く出ます。給料表そのものが高いのか、勤めている年数が長いのか。この平均だけでは、どちらなのか分けられませんでした。

男女別は、男性362,300円、女性336,000円で、男女の差は26,300円です。

私立のほうが公立より2,100円高い。ただし勤続年数は4.3年短い

高等学校の表では、公立と私立を分けた数字まで公表されています。ここが小学校・中学校と違うところです。

表3:高等学校の公立・私立別(文部科学省「学校教員統計調査」令和4年度 表58)
区分 平均給料月額 平均勤務年数 週の授業時数
公立 353,200円 19.7年 13.6単位時間
私立 355,300円 15.4年 13.3単位時間
差(私立−公立) +2,100円 −4.3年 −0.3単位時間

金額だけを見れば私立が2,100円上です。ただ、この2,100円は条件をそろえた差ではありません。私立の先生の平均勤務年数は15.4年で、公立より4.3年短い。短いまま、この金額です。だから「私立のほうが待遇がいい」とまでは言えません。同じ年数で比べたらどうなるかは、この表からは出せませんでした。

男女別に見ると、私立は男性367,100円・女性327,600円で、男女の差が39,500円。公立は男性360,300円・女性339,100円で、同じく21,200円です。39,500円は、この記事に出てくる男女の差の中でいちばん大きい数字でした。理由まではこの表に書かれていません。

高校教師の年収の目安は約520万円(特別支援学校の先生を含む区分)

総務省の高等学校教育職の平均給与月額433,141円を12倍すると、約520万円。小・中学校教育職の約494万円と比べると、年で約25万円の差になります。ここに期末勤勉手当が加わるのは、どちらの区分でも同じです。

この区分には、特別支援学校と専修・各種学校の教員が含まれます。高校の先生だけの数字ではないので、そのつもりで見てください。

差がつく理由を、この統計から言えるところまで

勤めている年数が、校種で2.2年違います

小学校16.2年、中学校16.8年、高等学校18.4年。高校の先生は、小学校より平均で2.2年長く勤めています。

給料表は勤めた年数で上がります。高校が高い理由のうち、いくらかはこの2.2年ぶんです。

高校の公立だけを見ると平均勤務年数は19.7年。小学校の公立(16.2年)より3.5年長くなります。同じ公立同士で比べても、勤続の長さは校種で違いました。

高校の平均には私立が入っています

小学校では公立の数字(322,300円)と全体の数字(322,800円)がほぼ重なりますが、高校では公立353,200円に対して全体が353,800円。私立の355,300円が全体を押し上げています。

「高校の先生の給料」として紹介されている数字が、公立だけのものか、私立を含むものか。ここでも金額は動きます。

男女差は、校種の差より大きい

3つの校種のどれでも、男性の平均給料月額が上に来ます。男女の差は小学校で33,400円、中学校で26,200円、高等学校で26,300円。小学校の33,400円は、校種の差(小学校と高校で31,000円)より大きい数字です。

なぜこの差が出るのかは、公表されている表のどこにも書かれていません。勤続年数の男女差なのか、管理職になっている人の割合なのか、常勤で働き続けた年数の違いなのか。ここは分からないまま置いておきます。

給料表そのものの違いは、この統計からは分かりません

校種によって給料表そのものが違うのかどうか。噂の本当のところはここで決まりますが、学校教員統計調査には出てきませんでした。給料表を定めているのは各自治体の給与条例です。確かめたい方は、自分の自治体の条例と、そこに添付されている教育職給料表を見ることになります。

私が調べた範囲では、全国の校種別の給料表を1か所にまとめた公表資料は見つかりませんでした。いちばん知りたいところに、公表された数字がありません。この記事で書けるのは、結果として出ている平均の差までです。

校種より、勤務地と年数のほうが金額を動かします

校種の差は月31,000円、都道府県の差は月54,500円であることを横棒で比べた図
校種の差と、勤務地の差

都道府県の差は、小学校で54,500円ありました

校種の差が月31,000円だったのに対して、同じ校種の中の都道府県ごとの差は、それより大きくなりました。

表4:校種別・平均給料月額の都道府県上位3と下位3(文部科学省「学校教員統計調査」令和4年度)
校種 上位3 下位3 上位と下位の差
小学校 青森358,500円/秋田358,300円/岩手356,000円 滋賀308,400円/和歌山306,600円/神奈川304,000円 54,500円
中学校 秋田362,200円/福島361,700円/青森359,500円 和歌山318,700円/茨城318,100円/大阪315,100円 47,100円
高等学校 福島379,600円/新潟377,900円/秋田375,400円 奈良335,600円/福岡331,600円/宮崎331,200円 48,400円

小学校でいちばん高い青森県(358,500円)は、高等学校の全国平均(353,800円)を上回ります。青森の小学校の先生と、宮崎の高校の先生(331,200円)を比べると、高校のほうが高い、という順番が逆になります。校種だけで先に決めてしまうと、この違いが見えません。

上位に東北の県が並ぶのは、給料表が高いからではありません

3つの校種のどれでも、上位に青森・秋田・岩手・福島が入り、下位に神奈川・大阪・福岡といった都市部の府県が入ります。同じ県名が3つの表で続いたので、集計を間違えたのかと一度疑いました。

理由は給料表の仕組みでした。給料表は勤めた年数で上がるので、ベテランの先生の割合が高い県ほど平均が高く出ます。逆に、採用が多くて若い先生が多い都市部は平均が下がります。

もうひとつ、この記事の表4に出ているのは「給料」で、地域手当が入っていません。地域手当は都市部ほど高く、東京都は月7万円台です。手当まで含めると、順位は表4と変わります。都道府県ごとの金額と地域手当は、教員の給料を47都道府県で比べた記事に書きました。

年数の差は、校種の差より大きく効きます

校種を選び直すより、同じ校種で20年働くかどうかのほうが、金額は動きます。経験1年未満と20年以上の差は、校種の差(31,000円)とは桁が違うからです。経験年数で給料がどう動くかは、教員の手取りは額面の何割?経験年数別の推移と給与明細の読み方にまとめました。

金額を動かすのは、校種よりも勤務地と勤続年数です。少なくとも、この2つの統計を見るかぎりはそうでした。

振り込まれる額を知りたいなら、引き算が近道です

ここまでの数字は、どれも引かれる前の額です。共済組合の掛金、所得税、住民税を引くと、手取りは額面の75〜80%が目安になります。校種の差31,000円も、まるごと手元に残るわけではありません。

引かれるものの中身と、額面から手取りになるまでの引き算は、給与明細の控除を1行ずつ見ていった記事に書きました。

この統計に入っていない先生

特別支援学校の先生は、学校教員統計調査では小学校・中学校・高等学校とは別の表で集計されています。この記事の3つの数字には入っていません。総務省の調査では「高等学校教育職」の区分に含まれるので、433,141円の中には特別支援学校の先生が混ざっています。

養護教諭は使う給料表が違うので、この記事の数字は当てはまりません。幼稚園教諭も、総務省の「小・中学校教育職」に含まれています。この記事の平均は各校種の本務教員の数字なので、幼稚園教諭の金額とは合いません。

非常勤講師も、そもそもこの表に入っていません。私はいま小学校の非常勤講師なので、この記事に出した3つの平均は、どれも自分の金額ではありません。号給というのは、給料表の中で自分がどの行にいるかを示す番号です。非常勤には、この号給という考え方がありません。平均と自分の給料がまったく違っても、おかしくありません。非常勤の働き方とお金の話は、教員の時給と若手の給与実態をまとめた記事に書いています。

よくある質問

Q1. 小学校・中学校・高校で、教員の給料はどのくらい違いますか?

文部科学省の学校教員統計調査(令和4年度・本務教員・国公私立の計)では、平均給料月額が小学校322,800円、中学校334,800円、高等学校353,800円です。小学校と高校の差は月31,000円。ただしこの金額に手当と期末勤勉手当(ボーナス)は含まれていません。

Q2. なぜ高校の先生のほうが給料が高いのですか?

理由の一部は勤めている年数です。平均勤務年数は小学校16.2年、中学校16.8年、高等学校18.4年で、高校が2.2年長くなります。給料表は勤続年数で上がるため、長く勤めている先生が多いほど平均は高く出ます。給料表そのものが校種で違うのかどうかは、各自治体の給与条例と教育職給料表を確認する必要があり、この統計からは分かりません。

Q3. 私立高校と公立高校では、どちらが給料は高いですか?

平均給料月額は私立355,300円、公立353,200円で、私立が2,100円上です。ただし私立の平均勤務年数は15.4年、公立は19.7年で4.3年の差があり、勤続年数をそろえた比較ではありません。

Q4. 小学校教員の年収はいくらですか?

学校教員統計調査には手当とボーナスが入っていないため、この統計から年収は出せません。総務省の令和6年の調査で、小・中学校教育職の平均給与月額411,965円を12倍すると約494万円になり、ここに期末勤勉手当が加わります。ただしこの区分には中学校と幼稚園の教員が含まれ、小学校だけの数字ではありません。

Q5. 調べるページによって教員の年収が違うのはなぜですか?

手当が入っているか、校種をどこで区切っているか、私立を含むか、いつの調査か。この4つが違うと金額は変わります。文部科学省の学校教員統計調査は校種を分けられるかわりに給料だけ、総務省の給与実態調査は手当を含むかわりに「小・中学校教育職」「高等学校教育職」の2区分で、幼稚園や特別支援学校の教員が混ざります。

Q6. 校種を選ぶとき、給料は考えたほうがいいですか?

校種の差は月31,000円ですが、同じ校種の中でも都道府県による差は小学校で54,500円あります。勤務地と勤続年数のほうが金額を動かします。私自身は校種を選ぶときに給料のことを何も気にしていませんでしたが、気になる方は、校種より先に自治体を見てください。そちらのほうが差は大きくなります。

Q7. 特別支援学校の先生の給料は、この数字に入っていますか?

入っていません。特別支援学校は、学校教員統計調査では小学校・中学校・高等学校とは別の表で集計されているためです。なお総務省の「高等学校教育職」の区分には特別支援学校の教員が含まれるため、433,141円という金額には入っています。

まとめ

  • 平均給料月額は小学校322,800円、中学校334,800円、高等学校353,800円(文部科学省・令和4年度・本務教員・国公私立の計)。小学校と高校の差は月31,000円で、手当とボーナスは入っていません。
  • 高校が高い理由の一部は勤続の長さです。平均勤務年数は小学校16.2年に対し高等学校18.4年。週の授業時数は逆になり、小学校の18.1単位時間がいちばん多くなります。
  • 高等学校は公立353,200円・私立355,300円で、私立が2,100円高くなっています。ただし私立は平均勤務年数が4.3年短く、条件をそろえた比較ではありません。
  • 同じ校種の中でも、都道府県による差は小学校で54,500円あり、校種の差より大きくなります。青森の小学校の平均は、高等学校の全国平均を上回ります。
  • 手当まで含めた金額を知りたいときは総務省の調査(小中411,965円・高433,141円)を見ますが、こちらは校種が2区分で、幼稚園や特別支援学校の教員が混ざります。

次に読むなら

今日やるなら、これ1つ

自分の自治体の教育職給料表を1回だけ引いて、いまの自分の号給の行を見てください。「(自治体名) 給与条例 教育職給料表」で探すのが早いです。

その金額を、自分の校種の平均(小学校322,800円・中学校334,800円・高等学校353,800円)と比べてください。上か下かが分かれば、この記事の平均ではなく自分の金額で考えられます。差があったとき、まず疑うのは校種ではありません。勤続年数と勤務地です。

これから教員になる方は、平均より初任給の記事が自分の数字に近いはずです。

給料表を探すのがしんどい時期なら、今日はここまでで構いません。数字は逃げないので、必要になったときに戻ってきてください。

書いた人:元・公立小学校の正規教員。休職・退職を経て、現在は小学校の非常勤講師をしています。プロフィールは著者プロフィールをご覧ください。
本記事は公開資料と個人の経験にもとづく情報提供であり、給与・税務に関する個別の助言ではありません。個別の給料額・手当額は、勤務先の事務担当者、または自治体の給与条例をご確認ください。詳しくは免責事項をご確認ください。

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