3月に入ると、職員室の空気が少し変わります。誰も口には出しませんが、頭の片隅にあるのは同じことだと思います。今年は自分が動くのか。
教員の異動が何年で決まるかは、全国一律には決まっていません。確かめた5つの自治体では、下限は3年でほぼ揃い、上限は6年から10年までばらけていました。年数の基準は、都道府県や指定都市の教育委員会が出している「人事異動方針」や「人事異動実施要綱」に書かれています。年数を書いていない自治体もあります。
どちらにしても、その文書は誰でも読めます。この記事では5つの自治体の原文を並べて、自分の自治体の文書の探し方も紹介します。
今日すでに内示を受けて、これを誰に話していいのか分からない方は「内示は人に言っていいのか」の節へ。引っ越しや着任までにやることを知りたい方は「内示から着任まで、実際にやったこと」の節へ。異動してから調子が落ちている方は「異動がしんどさの引き金になったとき」の節へ、先に進んでください。
※ 各教育委員会の公開資料と法令をもとに作成(2026年8月20日確認)。私は元・公立小学校の正規教員で、現在は小学校の非常勤講師です。
教員の異動は何年で決まるのか
決めているのは各教育委員会の「人事異動方針」
教員の異動の年数を全国一律に決めた法律はありません。決めているのは、採用と人事を持っている各都道府県・指定都市の教育委員会です。
確かめた自治体では、どこも文書が2段階に分かれていました。1つ目が「人事異動方針」で、その年度の異動をどういう考え方で行うかを示します。2つ目が「人事異動実施要綱」「人事異動取扱要領」「人事異動実施要項」で、こちらに対象年数などの具体的な条件が書かれています。呼び名は自治体ごとに違います。東京都は任用の資料の中で定期異動実施要綱の内容を示し、名古屋市と鳥取県は教育委員会の会議の議案として公開していました。
「なぜ自分が動くのか」の答えも、たいていは2つ目の文書にあります。「同一校に長年勤務した者は、異動の対象とする」のような条件が先に決まっていて、そこに該当した人が動く、という仕組みです。
出典:東京都教育委員会「第4章 任用」p.194-196(令和3年9月改正)
(2026年8月20日確認) https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/kyoiku/02_03_04_3
5つの自治体の年数基準を、原文で読むとこうなる
| 自治体 | ここから動く対象に入る年数 | これ以上いると動く年数 | 年度 | 出典 |
|---|---|---|---|---|
| 東京都 (小中・都立) |
現任校に3年以上で異動の対象 | 6年に達した者は必ず異動(原文は「必異動」)。ただし校長の具申+各教育委員会の内申で東京都教育委員会が認めた者は対象としない | 令和3年9月改正 | 東京都教育委員会「第4章 任用」 |
| 名古屋市 (小中・特別支援) |
配置換えを希望できるのは同一校3年以上/新規採用以来同一校6年以上は強く進める | 同一校に引き続き8年在職する者は配置換え | 令和5年度末 | 名古屋市公立学校教職員人事異動実施要項(PDF) |
| 鳥取県 (市町村立小中・義務教育学校) |
新規採用者で同一校3年以上は対象 | 同一校に長年勤務した者(原則として7年以上)は対象/同一市町村内15年以上は他市町村との交流に努める | 令和7年度末 | 鳥取県 人事異動取扱要領(PDF) |
| 鳥取県 (県立) |
新規採用者で同一校3年以上は対象 | 同一校に長年勤務した者(原則として8年以上)の異動を促進 | 令和7年度末 | 同上 |
| 広島県 | 3年未満の短期の配置換えは原則行わない | 6年以上10年未満は積極的に配置換え/10年以上は特別の事情がない限り配置換え | 平成30年〜 | 広島県 人事異動方針 |
| 岐阜県 (小中学校) |
年数基準の記載なし(一般教員は、免許教科・年齢・勤務歴・健康状況・能力・意欲・実績等を勘案して適材を適所に配置する、という記述のみ) | 令和2年度 | 岐阜県 定期人事異動方針(議第6号・PDF) | |
東京都は、現任校に3年以上勤務する者を異動の対象とし、6年に達した者は必ず異動させる、という内容です。ただし6年に達しても、校長の具申と各教育委員会の内申にもとづいて東京都教育委員会が認めた者は対象から外れます。
名古屋市は、同一校に引き続き8年在職している者は配置換えする、新規採用以来同一校に6年以上在職している者には配置換えを強く進める、としています。
鳥取県は同じ県の中で2本立てです。市町村立の小・中学校と義務教育学校では「同一校に長年勤務した者(原則として7年以上)は、異動の対象とする」。県立学校では「同一校に長年勤務した者(原則として8年以上)の異動を促進する」。同じ県内でも、校種で1年ずれます。この2本は、令和7年度末の最新の要領でも同じ文言で残っています。
そろっているのは下限の「3年」あたりだけ
年数を書いている5行を並べて見えてくるのは、下限だけが揃っているという形です。
東京都は3年以上で異動の対象、鳥取県は新規採用者が同一校3年以上で対象、広島県は3年未満の短期の配置換えを原則行わない、という書き方です。3年より前は基本的に動かさない、という考え方はこの3つで共通しています。ただし名古屋市の3年だけは性質が違います。動かす基準ではなく、本人が希望を出せるようになる年数です。
一方の上限は、6年(東京都)・7年(鳥取県の小中)・8年(名古屋市と鳥取県の県立)・10年(広島県)とばらけます。ここに全国の平均値のようなものはありません。
もうひとつ見落としやすいのが、条件文の強さの違いです。「異動の対象とする」「異動を促進する」「強く進める」「配置換えする」は、同じ年数の話でも意味が違います。東京都の6年は必ず異動と書かれていて、しかも例外の手続きまで用意されています。広島県の10年には「特別の事情がない限り」という留保がついています。年数だけを取り出して「東京6年・鳥取7年・名古屋8年」と並べてしまうと、この言葉の強さの違いが見えなくなります。
確かめた5つの自治体の書き方に自分を当てはめると、こうなります。3年目より前なら、動かないほうが普通です。3年を越えていれば、対象には入っています。6年を越えていれば、動く前提で考えたほうがよさそうです。ただし、これはあくまで5つの自治体の書き方から言えることで、自分の自治体がどう書いているかは別の話です。
ここで確かめたのは5つの自治体だけなので、全国どこでも同じとは言えません。最後に見るべきなのは、自分の勤務先の自治体の文書です。その探し方を次の節で紹介します。
年数の基準を書いていない県もある
「自分の県の年数を調べたのに、どこにも出てこない」。これは調べ方が悪いとは限りません。そもそも書いていないことがあります。
岐阜県教育委員会の令和2年度教職員定期人事異動方針のうち、小中学校の方針には年数の基準がありません。一般教員について書かれているのは、免許教科・年齢・勤務歴・健康状況・能力・意欲・実績等を勘案して適材を適所に配置する、という記述です。一方、同じ議案の高等学校・特別支援学校の方針には「採用後10年目までに複数校を経験させることとする」という年数の記述があります。書くか書かないかも、同じ県の中で校種によって分かれています。なお、令和3年度以降の方針は、教育委員会の会議の議案名としては確認できましたが、本文のPDFは公開が確認できませんでした(2026年8月20日確認)。そのため、その後の年度でどうなったかは、この記事では分かりません。
千葉県のほうがはっきりしています。千葉県教育委員会の「令和7年度末及び令和8年度公立学校職員人事異動方針」は最新年度の全文が公開されていて、そこに年数の条文はありません。第2「実施要項」の適正配置の項に、次の書き方があるだけです。
次の者については、強力に配置換えを行う。
ア 同一校又は同一市町村に永年勤続する者
「永年」が何年なのかは書かれていません。
最新年度の方針を全文公開したうえで、年数を書かない県がある。だから「◯年で異動」という全国共通の答えを探しても見つからないのは、当たり前のことなのです。
出典:岐阜県教育委員会 令和2年度教職員定期人事異動方針 https://www.pref.gifu.lg.jp/uploaded/attachment/144663.pdf /千葉県教育委員会「令和7年度末及び令和8年度公立学校職員人事異動方針」(令和7年9月3日更新)https://www.pref.chiba.lg.jp/kyouiku/syokuin/jinji/r07-jinjiidouhoushin.html (いずれも2026年8月20日確認)
自分の自治体の基準を、自分で確かめる3ステップ
この記事の5つの自治体も、特別なルートで手に入れたわけではありません。全部、誰でも見られる公開文書です。同じやり方で、自分の自治体を探せます。
1. 「〔都道府県名〕 教職員 人事異動方針」で検索する
まずはこれだけで足ります。奈良県・埼玉県・京都府・大分県は、この形でPDFや公開ページにたどり着けました。政令指定都市に採用されている方は、県名ではなく市名でも試してください。人事を持っているのが市のほうかもしれないからです。
2. 出てこなければ、呼び名を変えて探す
文書名が自治体ごとに違います。名古屋市は「人事異動実施要項」、鳥取県は「人事異動取扱要領」、東京都は「定期異動実施要綱」。「方針」で出てこないときは、要綱・要領・要項の3語を順に試してください。年数の条件は「方針」より、こちらの文書に書かれていることが多いです。
3. 教育委員会の「会議」のページを見る
方針や要領は、教育委員会の会議に議案としてかけられます。名古屋市の要項は令和5年度第22号議案の参考資料、鳥取県の要領は令和7年度の議案第4号の別紙として公開されていました。県や市のサイトで「教育委員会 会議」を探し、議案一覧を年度分さかのぼると見つかることがあります。
3つ試して出てこなかったら、そこで終わりにして構いません。前の節のとおり、年数を書いていない自治体があります。議案名だけがあって本文が公開されていない自治体もあります。見つからないのは、探し方が下手だからではありません。
内示はいつ、どんな形で来たか
ここからは、私が実際に内示を受けたときの話です。自治体や学校によって違うと思いますが、一つの例として読んでください。
内示を受けたのは3月の中頃、放課後でした。校長室に呼ばれて、校長から伝えられました。電話でも紙でもなく、対面です。
正直に書くと、ショックが大きかったです。それまでに確定した情報がほとんどなかったからです。予兆らしい予兆はありませんでした。ただ、時期は毎年だいたい決まっているので、「そろそろかな」という感覚だけはありました。
聞いた直後に頭に浮かんだのは、次の学校のことでした。規模はどれくらいか。どんな子どもたちなのか。何を期待されているのか。研修校なのかどうか。それから、引き継ぎをしないといけない、ということ。
校長室を出てから、家族などに連絡しました。
内示から正式な発表までは、1週間あるかないかでした。
内示の日付が公的な文書に出てくることもあります。大阪市教育委員会の会議(平成30年第5回・議案第19号/校長人事)には、「3月1日に本人に対し内示を行い、4月1日付で発令をする」と記載されています。大阪市の校長人事についての記述です。
正式な公表を自治体が自分のサイトで行う例もあります。東京都教育委員会は、令和8年4月1日付の異動一覧を、発令前の3月27日にサイトで公表しています(2026年8月20日確認)。
内示が電話なのか対面なのか、何時ごろに来るのかを定めた公的な文書は、探した範囲では見つかりませんでした。
出典:大阪市教育委員会会議(平成30年第5回・議案第19号)https://www.city.osaka.lg.jp/kyoiku/page/0000537338.html /東京都教育委員会「東京都公立学校教員の異動について(令和8年4月1日付け)」https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/information/topics/2026/03/2026032701 (いずれも2026年8月20日確認)
内示は人に言っていいのか——「口外禁止」の根拠を確かめた
この記事でいちばん確かめたかったのが、ここです。
「内示を口外してはいけない」という法律の条文は、調べた範囲では見つかりませんでした。根拠としてよく持ち出されるのは地方公務員法34条の守秘義務です。調べていくうちに、内示の情報は、この守秘義務の範囲として扱われているのだろうと感じました。
地方公務員法(昭和25年法律第261号)の本文全文をe-Gov法令検索で確認しましたが、「内示」という語は出てきませんでした。内示について定めた条文は、調べた範囲では見つかりませんでした。
代わりにある34条1項は、こう書かれています。
職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また、同様とする。
内示が「職務上知り得た秘密」にあたると明示した法令や通知は、探した範囲では見つかりませんでした。ただし、秘密にあたると判断された場合には、60条2号の罰則(一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金)の対象になりえます。
自治体の文書も同じでした。lg.jpとed.jpのドメインに絞って「内示」と「口外」を検索しても、服務規程や通知の類は見つかりませんでした。出てくるのは教育委員会の会議録と議会の議事録です。自治体が公開文書で「内示は口外禁止」と定めた例は、探した範囲では確認できませんでした。
整理すると、こうです。はっきり条文で禁止されていると確認できたわけではなく、守秘義務の範囲として扱われているのだろう、というのが調べて感じたことです。禁止の線がどこに引かれているのかを、公開情報だけで確定させることはできません。判断に迷ったときは、内示を伝えてくれた管理職に直接聞くのがいちばん確実です。
私の場合は、家族にはすぐ話しました。これは1人の判断で、「家族になら話していい」という基準がどこかにあるわけではありません。
もう1つ。「内々示」という言葉は、探した範囲では公的な文書に見つかりませんでした。制度用語ではなく、現場でそう呼ばれている言い方、という扱いにとどめます。
出典:地方公務員法(昭和25年法律第261号)https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000261 (2026年8月20日確認)
異動希望は通るのか
希望が完全に通ることはない。これが私の実感です。調書も、毎年書いていたわけではありません。
決まりのうえでも、希望を出すこと自体に条件がある自治体があります。名古屋市の要項には「配置換えを希望することのできる者は、同一校在職3年以上の者とする」と書かれています。3年経っていない人は、そもそも希望を出せません。
住んでいる場所が条件に出てくる自治体もあります。名古屋市の要項は、中学校区内に住んでいる教職員には配置換えを強く勧める、としています。鳥取県の要領には「同一市町村内に15年以上勤務する者については、他市町村との交流に努める」という一文があります。調書の書き方を工夫する前に、まずこうした条件があることを知っておいたほうがいいです。
現場で言われていたことも書いておきます。一回は遠くに行かされる。3校目までに複数の市町を経験する。家族や家がある場合は配慮されることもある。ただし、これは私が実際に耳にしていた話であって、人事にそれが反映されていたかどうかは分かりません。制度としてそう決まっているのを確認したわけでもありません。
噂が10個集まっても、年数は確定しません。要綱なら1本で済みます。
異動で変わるお金の話
異動でまず変わるのは、給料そのものより手当です。
通勤手当の額は、自治体の条例や規則で決まります。たとえば栃木県の例規は、通勤の方法と距離の区分ごとに支給額を定めたものです。勤務先が変われば距離も変わるので、手当もそれに合わせて動きます。
へき地の学校に異動すればへき地手当が付き、そこから出れば外れます。指定と支給割合を決めているのは、へき地教育振興法施行規則の基準にもとづく級地区分と、自治体の条例です。割合が自治体ごとに違うので、金額はここでは書きません。地域手当を含めた実額と都道府県ごとの差は、教員の給料と地域手当を47都道府県で比べた記事にまとめてあります。これから採用される方は、初任給から手取りになるまでの引き算をまとめた記事のほうが早いです。
自腹になる部分もあります。家から遠くなればアパートを契約することになりますが、引っ越し費用もアパートの契約も自分で出しました。住所変更などの手続きは市役所で行いました。私の場合、ここで特に費用はかかっていません。
同じ「異動」でも、県をまたぐ話は別ものです。県をまたぐ話は、先ほどの教員の給料と地域手当を47都道府県で比べた記事の「県はそう簡単にまたげません」の節に書いています。
出典:へき地教育振興法施行規則 https://laws.e-gov.go.jp/law/334M50000080021 /栃木県 通勤手当支給額の決定 https://www.pref.tochigi.lg.jp/reiki/reiki_honbun/e101RG00001215.html (いずれも2026年8月20日確認)
内示から着任まで、実際にやったこと
私が内示から着任までにやったことを、順番に書きます。
今の学校でやったことは4つです。引き継ぎ、教室の片付け、職員室の机の片付け、挨拶。このうち片付けには基準がありました。「入った時よりもきれいに」です。初任のときの先生が言っていた言葉で、私がずっと意識してきたことです。実際にやってみてよかったですし、これからも続けたいと思っています。教室も、職員室の自分の机も、この基準で片付けました。
新しい学校の初日は、最初の挨拶の日でした。8時ごろに始まるので、それまでに着きます。学校に着くと、すぐに校長室に案内されました。時間までは、そこで座って待ちます。辞令は、そこで校長から直接渡されました。そのあとは顔合わせ、机の荷物の整理、校務分掌の発表がある職員会議と続いて、それぞれの学年や仕事に分かれていきます。
やっておけばよかったこと
引き継ぎ資料は、早めに作っておくといいです。前任者の資料が残っているなら、それに自分がやったことを足しながら、日々更新していくのがおすすめです。
私物と教材の整理は、「早めに」というより、普段からきれいにしておくほうがいいと思います。
新しい学校のことを事前に調べたい、という気持ちはよく分かります。ただ正直なところ、調べてもあまり出てきません。ここはどうしようもない、というのが私の結論です。
連絡先の交換などをどこまでするかは、人間関係の話です。ここは個人個人の価値観でいいと思います。
異動がしんどさの引き金になったとき
異動は、それなりのストレスになります。私が実際に感じたのは、変わるものが1つではないことでした。
環境が大きく変わります。異動先によっては一人暮らしになります。関わる人間も大きく変わります。職員も、その他の大人も、子どもも、全部です。そして生活環境そのものも変わります。この3つが同時に来ます。
私の場合、いちばん堪えたのは、生活の基盤が整わないまま仕事が始まることでした。引っ越しにともなう契約などの面倒な手続きが続いて、生活が落ち着かないうちに、学校はもう始まります。職場では、人間関係がまだできていない中で、相手への気遣いが要ります。新しい人間関係を覚えながら、子どもたちの家庭のことも覚えていかないといけない。この同時進行が大変でした。
だから、気持ちが辛くなってしまうことは実際にあります。異動のあとに調子が落ちても、あなたが弱いからではありません。
私の場合にそれがどう始まったかは、異動2か月目に最初の異変が始まった話に書いています。そこからさらに進んだあとのことは、「もう無理だ」と気づいた瞬間に書きました。
もし休職という言葉が頭をよぎっているなら、お金の心配が先に立つと思います。そこは休職したときに給与と手当がどうなるかを整理した記事にまとめてあるので、必要になったときに開いてください。今すぐ決めなくて大丈夫です。
よくある質問
Q1. 教員の異動の内示はいつ来ますか?
全国共通の日付はありません。私の場合は3月中頃の放課後、校長室で校長から伝えられました。公的な記録としては、大阪市教育委員会の議案に「3月1日に本人に対し内示を行い、4月1日付で発令をする」という記述があります(平成30年第5回・議案第19号)。大阪市の校長人事についての記述です。
Q2. 内示を家族に話してもいいのですか?
「内示を口外してはいけない」という法律の条文は、調べた範囲では見つかりませんでした。根拠としてよく持ち出されるのは地方公務員法34条の守秘義務で、内示の情報はその範囲として扱われているのだろうと感じています。私は家族にはすぐ話しましたが、これは1人の判断です。迷ったら、内示を伝えてくれた管理職に確認するのが確実です。
Q3. 内示から正式発表までどれくらいありますか?
1週間あるかないか、というのが私の場合でした。期間は自治体によって違います。正式な公表については、東京都教育委員会が令和8年4月1日付の異動一覧を、発令前の3月27日にサイトで公表しています(2026年8月20日確認)。
Q4. 何年勤めたら異動になりますか?
確かめた5つの自治体では、下限が3年でほぼ共通、上限は6年・7年・8年・10年とばらばらでした。同じ鳥取県内でも、小中は原則7年以上、県立は原則8年以上です。5つのうち岐阜県(小中学校)は年数を書いていません。このほか千葉県のように、最新年度の方針を全文公開したうえで年数を書いていない県もあります。詳しくは記事内の表1を見てください。
Q5. 異動希望の調書は毎年出す必要がありますか?
私は毎年書いてはいませんでした。自治体によっては、希望を出せること自体に年数の条件があります(名古屋市は同一校在職3年以上)。希望が完全に通ることはない、というのが私の実感です。
Q6. 新しい学校のことを、事前に調べられますか?
正直なところ、調べてもあまり出てきません。ここはどうしようもない、というのが私の結論です。代わりに、引き継ぎ資料を早めに作っておくほうが効きます。
休職歴と次の異動のこと、復職するときの異動希望のことは、教員がうつ病で休職を決意するまでの記事のほうで書いています。
まず一歩踏み出すなら
自分の自治体の人事異動方針を、1回だけ探してください。それだけで足ります。検索窓に「〔都道府県名〕 教職員 人事異動方針」と打つ。1回目の検索は1分で終わります。それで出なければ、残りの2つのステップを試してください。
見つかれば、来年の3月に自分が対象年数に入るかどうかを、噂ではなく条文で確かめられます。見つからなければ、それは探し方の問題ではありません。公開されていないか、そもそも年数で決めていないかのどちらかです。
まとめ
- 教員の異動の年数に、全国共通の答えはありません。決めているのは各都道府県・指定都市の教育委員会で、年数の条件は「人事異動方針」ではなく「要綱・要領・要項」に書かれていることが多いです。
- 確かめた5つの自治体では、下限の3年だけがほぼ共通で、上限は6年・7年・8年・10年とばらけました。同じ鳥取県内でも校種で違います。
- 年数を書いていない自治体もあります。表1に入れた岐阜県(令和2年度・小中学校の方針)に加えて、表の外の例として千葉県(令和7年度末・令和8年度方針)にも年数の条文がありません。
- 内示の口外を禁止する法律の条文は、調べた範囲では見つかりませんでした。地方公務員法34条の守秘義務の範囲として扱われているのだろう、と感じています。迷ったら管理職に聞くのが確実です。
次の一歩は、自分の自治体の方針を1回探してみることです。噂で年数を数えるより早く終わります。
次に読むなら
異動は、自分では選べない変化です。それでも、決まり方の一部は自分で確かめられます。分かるところから1つずつで大丈夫です。
書いた人:元・公立小学校の正規教員。休職・退職を経て、現在は小学校の非常勤講師をしています。プロフィールは著者プロフィールをご覧ください。
本記事は個人の経験と公開資料をもとにした情報提供であり、法的助言ではありません。詳しくは免責事項をご確認ください。


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