「お金の話って子どもにしていいの?」と思っていたあの頃
正直に言うと、以前の私は「子どもにお金の話をするのは、なんだか生々しくて気が引けるな」と思っていました。でも、オンラインスクールで小学生に金融の授業をするようになって、考えが変わりました。
お金の仕組みを知らないままだと、大人になってから戸惑う場面が少なくありません。だから我が家では、お金の話を特別なことにせず、ふだんの会話の中で自然に話すようにしています。
この記事では、私が子どもと一緒に実際にやっていることを、うまくいかなかった話も含めて紹介します。どれも家庭の中でできることばかりです。
お小遣いを「給料」にしてみた
最初に変えたのは、お小遣いの渡し方です。以前はただ決まった額を渡すだけでしたが、それだと「もらって当然のもの」になりがちでした。
そこで、こんなルールにしました。
- 週に一度、「お仕事リスト」から好きな仕事を選んでやってもらう
- やった仕事に応じてお小遣いが発生する
- 月末に「給料日」としてまとめて渡す
お仕事リストは、玄関の掃除や食器の片づけ、洗濯物をたたむなど、小さな家の手伝いです。これを始めてから、子どもが「今月はどれくらいになった?」と自分から気にするようになりました。「働いてお金を得る」という感覚が、自然と身についていったように思います。
うまくいかなかった話:ルールが複雑すぎた
最初は張り切りすぎて、仕事の種類をたくさん作ったり、ボーナスのような仕組みまで設けたりしました。結果、子どもが「もう分からない」とギブアップ。シンプルにするのが一番でした。今は数種類くらいから、ゆるく続けています。
お金を「3つの箱」に分ける
お小遣いをもらったら、次は「使い方」です。我が家では、もらったお金を3つの箱(実際には缶のケース)に分けています。
- 🛍️ つかう箱:好きなものを買っていいお金(だいたい半分くらい)
- 🐷 ためる箱:大きな買い物のためにとっておくお金
- 🤝 わける箱:寄付や誰かのために使うお金(少しだけ)
「わける箱」は最初「なんで人にあげるの?」と言われましたが、一緒に募金をしてみたら「なんかいい気持ち」と話してくれました。お金は自分のためだけでなく、社会ともつながっている——そんなことが少し伝わった気がします。
「投資」をリンゴでたとえてみた
「投資」というと難しく聞こえますが、我が家ではこんなふうに話しています。
「リンゴを1個植えて育てると、うまくいけば実が増えることもあるよ。でも、天気や育て方によっては、減ってしまうこともあるんだよ」
大事にしているのは、増えることもあれば、減ることもあるという両面をセットで伝えることです。良いところだけを見せないようにしています。この話をしたとき、子どもなりに「ふやすのって、いいことばかりじゃないんだね」と受け取ってくれたようでした。難しい言葉を使わなくても、本質は意外と伝わるものだなと感じます。
お金や投資の話で、気をつけていること
投資の話に関連して、制度についても少しだけ。子ども向けの「ジュニアNISA」は2023年で新規の利用が終了し、2024年からの新しいNISAは18歳以上が対象です(すでにジュニアNISAで持っているものは、一定の条件で引き続き扱える形になっています)。
ただ、我が家ではこの記事を「制度の解説」にするつもりはありません。大切にしているのは、家庭で実際のお金の動きについて話す機会を作ること。「増えた日もあれば、減った日もある」と一緒に眺めながら、お金は怖いものではなく、付き合い方を知っていくものだと感じてもらえたら十分だと思っています。どうするかは、それぞれの家庭の考え方で決めればいいことだと考えています。
ゲームでお金の流れを学ぶ
座って話を聞くのが苦手な子には、ゲームも入り口になります。我が家でよく使っているのは、こんなものです。
- 桃太郎電鉄(桃鉄):物件を買って収入を得る、移動する、思わぬ出来事が起きる——お金の流れの基本が遊びの中に詰まっています。「これって実際の生活でも似ているね」と話しながら遊ぶと、学びにつながります。
- お金の流れを学べるボードゲーム:決まった予算の中で買い物を考える体験ができ、低学年の子でも取り組みやすいです。
桃鉄は私自身も一緒に楽しんでいて、週末のちょっとした時間の過ごし方になっています。
今日からできる、ゆるい始め方
「いきなり全部はむずかしい」という方に向けて、取りかかりやすい順にまとめました。
- まず:お小遣いに「お手伝い」をひもづける
数種類のお仕事リストを作るだけ。難しく考えなくて大丈夫です。 - 次に:3つの箱に分ける習慣をつける
空き缶や小さな箱を3つ用意して、名前を書くだけです。 - 慣れてきたら:お金の増減について一緒に話す
「増えた日もあれば、減った日もあるね」と、肩の力を抜いて話してみる程度で十分です。
最後に:親が楽しそうにしているのが、一番の教科書
これは本当に大事だと感じています。親が「お金の話は怖い、難しい」という顔をしていると、子どももそう受け取ります。逆に、肩の力を抜いてお金の話ができていると、子どもも自然とお金を身近に感じてくれるようでした。
私自身、子どもに伝えようとしたことで、自分のお金の知識もずいぶん整理されました。「子どもに説明できるくらいシンプルに理解する」のは、大人にとってもよい学びになります。
難しく考えなくて大丈夫です。まずは「お小遣いにお手伝いをひもづける」だけでも、家の中の会話が少し変わると思います。



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