教員が休職を決めたきっかけ|「もう無理だ」と気づいた瞬間の体験談

うつ病記録

いま「消えてしまいたい」と感じている方へ

ひとりで抱えないでください。下記の窓口に、いまの気持ちのまま電話してかまいません。何を話すか決まっていなくても大丈夫です。

  • よりそいホットライン0120-279-338(24時間・通話無料)
  • #いのちSOS0120-061-338(24時間365日・通話無料)
  • こころの健康相談統一ダイヤル0570-064-556(お住まいの地域の公的相談窓口につながります)

朝、目を覚ますたびに「今日も学校に行かなきゃ」と思うだけで体が重い。教室で子どもたちの前に立っているのに、自分の心だけがどこか遠くにある——。そんな毎日を過ごしているあなたへ。

この記事は、教員だった私が「もう無理だ」と気づいて休職を決めた、そのきっかけの体験談です。「自分はまだ大丈夫」「これくらいで休むなんて」と思っているうちに、心と体が限界を超えていく感覚を、私自身が経験しました。

この記事を読んでわかるのは、「限界のサインは人によってこう出ることがある」という一つの実例と、相談・受診は逃げではなく、自分を守るための行動だということです。読み終えたあと、「相談してもいいのかもしれない」と少しでも思えたら、それでこの記事の役目は果たせています。

先にお伝えしておきたいことがあります。あなたが感じているつらさは、気のせいでも甘えでもありません。そして、あなたは一人ではありません。

まず公的な制度の全体像を知っておきたい方は、教員の休職中のお金・給与・手当についての記事もあわせて読んでみてください。「休んでも生活はどうなるのか」という不安をやわらげる材料になります。

「もう無理だ」と気づいた、決定的な瞬間

私が「これは限界かもしれない」とはっきり自覚したのは、ある日、子どもたちの前で笑えなくなっている自分に気づいたときでした。

教室には、いつもどおり子どもたちがいます。冗談を言う子、甘えてくる子、ふざけて笑い合う子。以前なら一緒に笑っていた場面で、私の表情だけが動かなくなっていました。笑おうとしても、顔の筋肉がうまく動かない。心の中で「何も感じない」という感覚だけが広がっていく。感情がどこかへ消えてしまったような状態でした。

教員にとって、子どもの前で笑えることは、当たり前にできていたことのはずでした。その当たり前ができなくなったとき、私は初めて「自分は今、普通の状態じゃない」と気づいたのです。

もし、あなたにも似たサインがあるなら
「好きだったことに何も感じない」「人前で表情がつくれない」——こうした感覚があるときは、心身がかなり疲れている可能性もあります。我慢で乗り越えようとせず、早めに立ち止まってよいタイミングです。

体に出ていた、いくつものサイン

いま振り返ると、心が限界を迎える前から、体にはいくつものサインが出ていました。当時は「疲れているだけ」「そのうち治る」と思っていましたが、今思えばどれも見過ごしてはいけないものでした。

眠れない夜が続いた

布団に入っても眠れない。眠れたとしても途中で目が覚めてしまう。睡眠で疲れが取れず、朝には前の日よりも消耗している。そんな状態が続いていました。

毎朝、「事故に遭いたい」と思ってしまった

これは書くか迷いましたが、同じ気持ちの人に「自分だけじゃない」と知ってほしくて、正直に残します。当時の私は毎朝、「事故に遭えば学校に行かなくて済むのに」と思ってしまっていました。

積極的に何かをしようとしたわけではありません。でも、「このまま消えてしまえたら」という気持ちが、毎朝のように頭をよぎる。今思えば、これは心がかなり追い詰められていたサインでした。

同じ気持ちがある方へ

「消えたい」「いなくなりたい」という気持ちがあるなら、それは「あなたが弱いから」ではなく、心がそれだけ限界に近づいているサインです。記事冒頭の窓口に、いまの気持ちのまま電話してかまいません。#いのちSOS(0120-061-338・24時間・無料)は、まさにそうした気持ちを受け止めるための窓口です。

食べることが止まらなかった

眠れない一方で、食べることが止まらなくなる時期もありました。お腹が空いているわけではないのに食べ続けてしまう。心の苦しさを、無意識に食べることで紛らわせていたのだと思います。

睡眠・気分・食欲——この3つに乱れが出ていたら、心がかなり疲れているサインかもしれません。私はそのすべてが出ていたのに、休む決断をなかなかできずにいました。

誰にも相談できず、一人で抱え込んだ

いま思えば最もつらかったのは、このことを誰にも相談できなかったことかもしれません。

職場の同僚に「しんどい」と言えば、迷惑をかけるのではないか。家族に話せば、心配させてしまうのではないか。「これくらいで弱音を吐くなんて」と、自分で自分を責めていました。結局、私はこの苦しさを誰にも打ち明けないまま、一人で休職するかどうかを決めることになりました。

教員という仕事は、責任感の強い人ほど「自分が抜けたらクラスはどうなる」「同僚に負担がかかる」と考えてしまいがちです。その真面目さは大切な長所ですが、自分を追い詰める方向に働いてしまうこともあります。

「身近な人には言いづらい」と感じるなら、まず匿名で話せる窓口を使う方法もあります。電話に抵抗があれば、チャットやSNSで相談できる窓口もあります。厚生労働省「まもろうよ こころ」では、電話・SNSの相談先がまとまっています。

休職を決めた夜と、嘘をついて休んだ翌日

休職を決めたのは、ある夜のことでした。その夜は、ほとんど眠れないまま、一晩中「どうすればいいのか」を考え続けました。休むべきか、続けるべきか。休んだら周りにどう思われるか。考えても答えは出ず、ただ時間だけが過ぎていきました。

翌日、私はとりあえず嘘をついて仕事を休みました。本当の理由は言えませんでした。病院に行くべきなのはわかっていたのに、いざとなると足が向かない。「病院に行ったら、自分が本当に『そういう状態』だと認めることになる」——その怖さがあったのだと思います。

結局その日は、病院に行くかどうか迷ったまま、あてもなく外を歩いていました。歩きながら、「自分は何か悪いことをしているんじゃないか」という罪悪感がずっと胸にありました。みんなが働いている時間に、自分だけが仕事を休んで、嘘までついて外を歩いている。その後ろめたさが、ずっと消えませんでした。

でも、いま振り返ると——あの日、立ち止まったこと自体は、間違っていなかったと思っています。罪悪感を抱えながらでも、自分の心と体を守るために一歩を踏み出していたのですから。

受診や管理職への連絡を含む、休職を決めるまでの時系列の詳細は、教員がうつ病で休職を決意するまでにまとめています。

いま振り返って思うこと

休職を経験したいま、当時の自分に伝えたいことがあります。

それは、「もっと早く決めてもよかった」「誰かに相談しておけばよかった」ということです。

私は限界を超えるまで我慢して、それでも一人で抱え込んで、ようやく休職を決めました。でも、あんなに追い詰められる前に立ち止まっていれば、もう少し楽に、もう少し早く、自分を守れたのかもしれません。相談することも、受診することも、休むことも、決して「逃げ」ではありませんでした。

あなたが「まだ大丈夫」と思っているなら、その「まだ大丈夫」のうちに、誰かに話してみてください。限界を超えてからでなくていいのです。早く相談することは、弱さではなく、自分を大切にする力です。

相談・受診をためらっているあなたへ(公的な窓口)

「病院に行くほどではない気がする」「何を話せばいいかわからない」——そう感じても大丈夫です。まずは話を聞いてもらうところから始められます。以下は、無料・匿名で利用できる公的な相談窓口です(2026年6月時点・厚生労働省「まもろうよ こころ」掲載情報に基づく)。

窓口 電話番号 受付・内容
よりそいホットライン 0120-279-338 24時間・通話無料。暮らしの悩み全般。チャットやSNSにも対応
#いのちSOS 0120-061-338 24時間365日・通話無料。「死にたい」「消えたい」気持ちを受け止める窓口
いのちの電話(フリーダイヤル) 0120-783-556 毎日16時〜21時/毎月10日は8時〜翌8時。通話無料
こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556 お住まいの都道府県・政令市の公的相談窓口につながる(受付時間は地域により異なる)

電話が難しいときは、LINEやチャットで相談できる窓口もあります。厚生労働省「まもろうよ こころ」に、電話・SNS両方の相談先がまとまっています。

医療機関にかかる場合は心療内科・精神科が選択肢になりますが、いきなり専門の科でなくてもかまいません。まずはかかりつけ医や、お住まいの地域の相談窓口・上記の相談ダイヤルから始める方法もあります。「どこに行けばいいかわからない」ときは、相談ダイヤルで「近くの医療機関を知りたい」と伝えれば、案内してもらえます。

休職という選択肢について(制度の基本)

「休んだら生活はどうなるのか」という不安から、休職に踏み切れない方も多いと思います。ここでは、踏み込んだ手続きの説明は専用記事に譲り、基本だけ触れておきます。

公立学校の教員の場合、心身の不調による休職中も、一定期間は給与の保障や手当の対象になる制度があるとされています。ただし制度の名称・条件・金額は勤務先・自治体・共済組合によって異なるため、正確な内容は必ずお勤め先や共済組合の窓口で確認してください。

制度の詳しい解説は、教員の休職中のお金・給与・手当についての記事と、教員が休職用の診断書をもらう手順の記事にまとめています。「お金の不安があって休めない」という方は、先にそちらで全体像をつかんでおくと、少し気持ちが軽くなるかもしれません。

まず一歩を踏み出すなら
いきなり病院や職場に話すのが怖ければ、匿名で話せる窓口から始めてかまいません。よりそいホットライン(0120-279-338・24時間・無料)なら、「何から話せばいいかわからない」状態でも受け止めてもらえます。

よくある質問(FAQ)

Q1. 休職を考えるのは甘えでしょうか?

甘えではありません。眠れない・気分が落ち込む・好きだったことに何も感じない、といった状態が続くのは、心が限界に近づいているサインです。休職や受診は、自分を守るための正当な選択肢です。

Q2. 限界のサインには、どんなものがありますか?

人によって違いますが、私の場合は「子どもの前で笑えなくなった」「眠れない」「毎朝、消えてしまいたいと思った」「食べることが止まらない」というかたちで出ていました。睡眠・気分・食欲の乱れは、見過ごしてはいけないサインの一例です。

Q3. 「消えてしまいたい」と思ってしまいます。どうすればいいですか?

その気持ちは、あなたが弱いからではなく、心がそれだけ追い詰められているサインです。一人で抱えず、#いのちSOS(0120-061-338・24時間・無料)よりそいホットライン(0120-279-338・24時間・無料)に、いまの気持ちのまま電話してください。何を話すか決まっていなくて大丈夫です。

Q4. 誰にも相談できないときは、どうすればいいですか?

身近な人に言いづらいときは、匿名で使える公的な相談窓口があります。電話が苦手なら、LINEやチャットで相談できる窓口もあります。厚生労働省「まもろうよ こころ」に一覧があります。

Q5. 病院に行くべきか迷っています。何科に行けばいいですか?

心の不調は心療内科・精神科が選択肢になりますが、いきなり専門の科でなくてもかまいません。まずはかかりつけ医や、お住まいの地域の相談窓口・相談ダイヤルから始める方法もあります。迷うときは相談ダイヤルで「近くの医療機関を知りたい」と伝えれば案内してもらえます。受診は「自分の状態を確かめる」ための行動で、行ったからといって必ず休職になるわけではありません。

Q6. 休職すると、お金の面はどうなりますか?

公立学校の教員の場合、休職中も一定期間の給与・手当の対象になる制度があるとされています。条件や金額は勤務先・自治体・共済組合によって異なるため、必ずお勤め先や共済組合の窓口で確認してください。詳しくは休職中のお金の記事にまとめています。

まとめ:立ち止まることは、逃げではありません

最後に、この記事の要点を整理します。

  • 「子どもの前で笑えなくなる」「眠れない」「消えたいと思う」「食べ続けてしまう」——心の限界は、こうしたサインで出ることがあります
  • つらさを一人で抱え込むほど、決断は遅れ、苦しくなります
  • 相談・受診・休職は「逃げ」ではなく、自分を守るための行動です
  • 「まだ大丈夫」のうちに、匿名の窓口からでいいので、誰かに話してみてください

私は、限界を超えるまで我慢してしまいました。だからこそ、いま同じ状況にいるあなたには、「もっと早く相談していい」と伝えたいのです。あなたが感じているつらさは、本物です。そして、あなたを助けたいと思っている窓口や人は、必ずいます。

今日一日を、なんとかやり過ごせたなら、それで十分です。焦らなくて大丈夫。一つずつでいいので、自分を守る方を選んでいってください。

この記事を書いた人

だにえる|元・教員/現在は小学校の非常勤講師。教員時代に心身の不調から休職を経験。YouTube「小学生でもわかるAI」を運営。同じようにしんどい思いをしている教員・元教員に向けて、実体験と公的制度をもとに発信しています。

本記事は、筆者自身の体験と、厚生労働省など公的機関の公開情報をもとに作成しています。相談窓口・制度の最新情報は各公式サイトでご確認ください。本記事は医療行為・診断に代わるものではありません。


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